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  • ケイト・ブランシェットが世界文化賞を受賞!

    今年の高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者が発表されました。

    ベルリンのユダヤ博物館やNYのグランドゼロ・メモリアルを設計したダニエル・リベスキンド、2024年のブルックナー交響曲第9番が衝撃的だった巨匠ブロムシュテット、コンセプチャル・アートの第一人者ジェニー・ホルツァーなど、個人的に心から敬愛するクリエイターが受賞者に名を連ねています。

    でも、今年の目玉はなんといってもケイト・ブランシェット。あれ、映画俳優も対象になるの?と感じた人も多いと思いますが(私もそうでした)、彼女はしっかり舞台女優としても活動していたのですね。しかも、難民・移民やトランスジェンダー支援のための映画基金(ユニクロが協力!)を設立してマイノリティの創作活動を支援しているのだから、受賞は当然なのでした。

    ブランシェットのトランス・ジェンダーな魅力

    ケイト・ブランシェットといえば、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを思い出す人が多いかもしれませんが、私は個人的に、彼女が中性的、あるいはトランスジェンダー的な魅力を発揮した作品の方が好きです。

    出世作の「エリザベス」から、彼女は女性という生物学的な性を越境する存在感を示してきました。それが典型的に表現されたのが「アイム・ノット・ゼア」。アメリカ中を放浪していた時代のボブ・ディランをブランシェットが演じているのですが、地声で台詞をしゃべっているのにまったく違和感がなく、容貌も仕草もキャラクターもまさにボブ・ディランそのものでした。

    これには本当に圧倒されました。役者として、様々な人間を演じ分けるのは当然としても、生物学的な性まで軽々と乗り越えてしまう。その軽やかな身振り。その中性的というかトランスジェンダーな資質がブランシェットの魅力だと思います。

    自分自身であるために戦い続けること

    だから、「キャロル」で、まだ同性愛が社会的に認められていなかった時代に、それを貫こうとして戦ったキャロルをブランシェットが演じたのは説得力がありました。ルーニー・マーラーという、ある種の女性性を体現した女優と共演することで、彼女の男性性が引き立ちました。何よりもフィリップ・グラスの「マッド・ラッシュ」をBGMに、自分の性的嗜好と愛と子どものために米国内を疾走し、戦い続けるブランシェットの姿がかっこいい!。快作でした。

    「ヴェロニカ・ゲリン」や「ター」なども、こうした性の境界を攪乱させるブランシェットの資質が良く表れていると思います。しかも、どの作品でも、彼女は男性が就くことを当然視されている職業に挑戦し、周囲の無理解や圧力と戦います。たぶん、ブランシェットは、意識的にこうした役柄を選択しているのでしょうね。

    恐怖映画女優としてのブランシェット?

    余談ですが、今となっては忘れられつつあるサム・ライミ監督の「ギフト」も印象的でした。この作品でブランシェットは霊視能力を持ったシングルマザーを演じているのですが、本当に何かを観ているような演技が強烈。サム・ライミらしく、意外なところから幽霊を出現させて恐怖を高めていくのですが、それを嫌でも目にしてしまう霊視者の不安感や生理的な嫌悪感はブランシェットならではです。

    この映画で、ブランシェットは絶叫型でも錯乱型でもない、知的で冷静であるが故に心の底から怖れを感じてしまう新たな恐怖女優モデルを作り上げたと思うのですが、残念ながら、彼女はその後、恐怖映画に出演していません。A24あたりでブランシェットを主演にした恐怖映画を企画してくれるとさらにその進化形を観ることができるのですが。。。

    次回作が待ち遠しい!

    ということで、世界文化賞受賞おめでとうございました。この秋には、ブランシェットも出演したジム・ジャームッシュの久々の新作「ファーザー マザー シスター ブラザー」が公開されます。公開されたら映画館に駆けつけなければ。。。

    ===「ファーザー マザー シスター ブラザー」予告編===

    ===DVD購入===

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