「現代日本の美意識」展@国立国際美術館

カラヴァッジョ展を見終わった後に、少し時間があったので、いつものように国立国際美術館へ。「コレクション 現代日本の美意識展」を覗く。国立国際美術館のように、日本の近現代美術を組織的に収集し、このコレクションを定期的に見せてくれる展覧会は本当にありがたい。日本は豊かになり、様々な企画展が開催されているけれど、足元の日本の近現代美術をきちんと見ることができる場所が限られているのは不幸なことだと思う。

だから、僕は国立新美術館が大嫌いである。あんな貸ギャラリーに膨大な税金を費やし、フレンチレストランやミュージアムショップ(ほとんどが記念グッズで美術書はごくわずか!)が入った無意味な空間を六本木というニューエコノミーの成功者のコミュニティに建設するということ自体が日本の文化行政の貧困さを象徴していると思う。これだけでも腹立たしいの、これに「国立」を冠するなんて、世界中に恥をさらしているだけである。

ということで、国立国際美術館の常設展示は、いつものように心が休まる場所でした。懐かしい作品に再会し、新たな作家との出会いに心ときめかす。茫漠とした巨大な空間にほとんど来館者はおらず、心ゆくまで作品と対話することができる。ミュージアムショップも、こじんまりしているけど貴重なカタログや美術書が販売されている。ここだけは、どんなに予算がカットされても生き残ってほしいと思う。

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