月: 2020年2月

古井由吉を巡って

古井由吉を巡って

2020年2月29日
古井由吉さんが亡くなった。内向の世代を代表する作家で、多くの作品を残した人の死を僕はまだうまく受け止められずにいる。改めて、彼の著作リストを眺めてみる。多分、僕は作品の3分の1たらずしか読んでないし、随筆・評論に至っては皆無だ。そういう意味で、僕はあまり良い読者ではなかっ…
ジェームズ・アイヴォリー監督「日の名残り」

ジェームズ・アイヴォリー監督「日の名残り」

2020年2月28日
ジェームズ・アイヴォリー監督の「日の名残り」を観る。出演は、アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン、クリストファー・リーヴ、ヒュー・グラントなど。 物語は、カズオ・イシグロの原作でも知られている通り、英国の有力貴族、ダーリントン卿に仕える執事のジェームズ・スティーブンス…
諏訪敦彦著「誰も必要としてないかもしれない、映画の可能性のために:制作・教育・批評」

諏訪敦彦著「誰も必要としてないかもしれない、映画の可能性のために:制作・教育・批評」

2020年2月27日
諏訪敦彦「誰も必要としていないかもしれない、映画の可能性のためにー制作・教育・批評」を読む。諏訪監督初のまとまった著書で、今まで断片的にしかわからなかった諏訪監督の方法論や思考を知ることのできる貴重な資料。でも、それ以上に、諏訪監督の一貫した倫理的姿勢に深く心を動かされる…
日曜美術館「ゴッホ 草木への祈り」

日曜美術館「ゴッホ 草木への祈り」

2020年2月24日
日曜美術館「ゴッホ 草木への祈り」を観る。今まで見たこともないゴッホの作品。激しい色彩も荒々しいタッチも影を潜め、まさに地に生えている野の草をそのままに描き、あるいは花瓶に生けられた花を優しい色使いで表現する。片耳を切り落とした痛々しい自画像や、原色で荒々しく描かれたひま…
フレディ・M・ムーラー監督「山の焚火」

フレディ・M・ムーラー監督「山の焚火」

2020年2月22日
フレディ・M・ムーラー監督の「山の焚火」を観る。1985年、ロカルノ国際映画祭金豹賞受賞作品。僕は、80年代にシネセゾンで公開された時に観ている。記憶が定かではないけれど、多分、六本木にあったシネ・ヴィヴァンではないだろうか。。。その時も素晴らしい作品だと思ったけど、今回…
「永遠のソール・ライター」@Bunkamuraザ・ミュージアム

「永遠のソール・ライター」@Bunkamuraザ・ミュージアム

2020年2月22日
東急文化村ザ・ミュージアムで「永遠のソール・ライター展」を観る。ニューヨークを舞台に活動し、ファッション写真家として成功しながら、そのキャリアをあっさりと放棄して、ニューヨークの街角の風景を切り取るスナップショットのような写真を撮り続けたアーチスト。没後、財団が設立され、…
カフカ著「訴訟」

カフカ著「訴訟」

2020年2月21日
カフカ「訴訟」読了。光文社古典新訳文庫、丘沢静也訳。面白い。もっと早く読んでいればよかった。。。 この物語は、わざわざ僕が紹介する必要もないぐらい有名だけど、とりあえず簡単に説明しておくと、ヨーゼフ.Kなる主人公(とある銀行の要職にある)が、ある朝、二人の監視人の訪問を受…
セルジオ・コルブッチ監督「ミネソタ無頼」

セルジオ・コルブッチ監督「ミネソタ無頼」

2020年2月19日
一仕事終わったので、ご褒美にBS録画の「ミネソタ無頼」を観る。我ながら慎ましいご褒美だと苦笑。でもまあ、セルジオ・コルブッチ監督だから悪くはない。 セルジオ・コルブッチ監督の名前を意識したのは、タランティーノの「ジャンゴ 繋がれざる者」を観てから。タランティーノの作品は、…
宮内悠介「カブールの園」

宮内悠介「カブールの園」

2020年2月16日
宮内悠介の「カブールの園」を読む。SFだと思って購入したら、SF色はほとんどなく、むしろ日系人のアイデンティティの葛藤を正面から描いた作品だった。だから三島賞受賞作なんですね。読み終わってから気づく間抜けな私。。。 宮内悠介の作品は、「ヨハネスブルグの天使たち」を読んで以…
ルネ・クレール監督「巴里の屋根の下」

ルネ・クレール監督「巴里の屋根の下」

2020年2月15日
今日は、絶対に仕事をしないことに決め、自宅に戻ってBSで録画していたルネ・クレール監督の「巴里の屋根の下」を見る。ルネ・クレール監督初のトーキー映画。主題歌の「巴里の屋根の下」もヒットしたらしい。物語は、街角で人々を集めて歌を教え、楽譜を売って稼ぐアルベールと、その友人の…