読書

古井由吉著「仮往生伝試文」

古井由吉著「仮往生伝試文」

2020年8月10日
古井由吉「仮往生伝試文」読了。 僕は基本的に小説は電車の中でしか読まないので、新型コロナウィルスの巣ごもりが続くと、なかなか小説を読み進めることができない。結局、この本も読み終わるまでに1ヶ月以上かかってしまった。ただでさえ話の展開が読み取りにくい古井さんの著作で、その中…
トルーマン・カポーティ著「ティファニーで朝食を」

トルーマン・カポーティ著「ティファニーで朝食を」

2020年7月27日
以前のブログで、ブレイク・エドワーズ監督の「ティファニーで朝食を」を紹介したとき、原作者のトルーマン・カポーティが映画作品に不満だったというエピソードに触れた。ウィキペディアの記述をそのまま鵜呑みにして書いたんだけど、その後、原作とどこまで違うんだろうというのが気になって…
村上春樹「一人称単数」

村上春樹「一人称単数」

2020年7月26日
村上春樹の新作短編小説集「一人称単数」を読む。 以前のブログでも書いたけど、僕と村上春樹との付き合いは長い。もちろん、個人的な面識はないけれど、僕は「風の歌を聴け」をほぼ同時代で読んで以来、一部のエッセイとジャズ評論を除けばほとんどすべての作品を読み続けている。我ながら、…
大林宣彦著「キネマの玉手箱」

大林宣彦著「キネマの玉手箱」

2020年7月17日
例によって本屋をぶらついていたら、大林宣彦の「いつか見た映画館」が本棚に並んでいた。価格18,000円。A5版1368頁。かなり心が動いたけど、最後に理性が働いてとりあえず再考することにした。いくら何でも、これは高すぎるよね。 その代わりに、ユニコ舎の「キネマの玉手箱」を…
鈴木大拙著「神秘主義ーキリスト教と仏教」

鈴木大拙著「神秘主義ーキリスト教と仏教」

2020年7月8日
鈴木大拙著「神秘主義:キリスト教と仏教」が岩波文庫から出たので早速購入。解説は安藤礼二。まあ、2年前に大著「大拙」を刊行したばかりだから、安藤さんが解説を書くのは穏当な選択だと思います。20世紀初頭の神秘主義者の関係に改めて脚光を当てた安藤さんの功績は大きいですよね。 実…
シモーヌ・ヴェイユ著「重力と恩寵」

シモーヌ・ヴェイユ著「重力と恩寵」

2020年7月4日
シモーヌ・ヴェイユの主著「重力と恩寵」を読む。以前のブログで紹介したように、彼女の「アンソロジー」を読んで心惹かれたので、ずっと気になっていた本を紐解く気になった。すごい。冒頭から引き込まれてしまい、気がついたら本に書き込みをしながら読みふけってしまった。本に書き込みをす…
瀬木慎一著「画狂人北斎」

瀬木慎一著「画狂人北斎」

2020年6月25日
今年は、葛飾北斎生誕260周年。新型コロナウィルスさえなければ、今頃は各地で様々な企画展が開催されていたはずなのだが、この数ヶ月の緊急事態宣言で多くの展覧会の開催が遅れてしまった。とりあえず、モチベーションを維持するために、瀬木慎一さんの「画狂人北斎」を読む。初出は197…
古井由吉著「聖耳」

古井由吉著「聖耳」

2020年6月4日
古井由吉著「聖耳」を読む。2000年の作品。作者は、これを執筆した当時、右眼の網膜円孔の手術のため、入退院を繰り返していたとのこと。本作は、この時の経験をベースにした連作短編集。 といっても、いつものように、病院でうつ伏せになって寝ている状態(眼の手術後に、眼球の内部に注…
いとうせいこう著「ワールズ・エンド・ガーデン」「解体屋外伝」

いとうせいこう著「ワールズ・エンド・ガーデン」「解体屋外伝」

2020年6月1日
いとうせいこうという人はつくづく不思議な人だ。僕にとって、いとうせいこうは同時代の小説家である。「ノーライフキング」は発表時点で読んだし、市川準の映画も見た。1980年代末、コンピューター・ゲームが普及する時代にインターネットを先取りするようなまがまがしいビジョンを提示し…
村上春樹著「猫を棄てる」

村上春樹著「猫を棄てる」

2020年5月17日
久しぶりに本屋に行ったら、村上春樹著「猫を棄てるー父親について語るとき」が刊行されていたので購入。村上春樹作品とは、「風の歌を聴け」以来の付き合いなので、つい条件反射的に買ってしまう。あまり話すこともなくなったけど、連絡があれば「まあ仕方ないか」と言いながらつい付き合って…