マルティン・ハイデッガー著「ヒューマニズムについて」 2021年7月7日 読書 ちょっと哲学的になりたくて、買ったままにしておいたハイデッガーの「ヒューマニズムについて」を読む。渡邊二郎訳。難解でものものしい漢字熟語ではなく、フランス語はそのままカタカナ表記して訳をつけたり、主要なタームはすべてひらがなで直訳している。これが漢字熟語より分かりやすい。… 続きを読む
大森荘蔵+坂本龍一「音を観る、時を聴く:哲学講義」 2021年4月29日 読書 大森荘蔵さんと坂本龍一さんの対談をまとめた本。1982年に出版された書物の文庫化。なんというか、あの時代の空気感が甦るような懐かしさを感じる内容だった。 もちろん、日本の哲学者を代表する一人である大森荘蔵さんが、知覚や世界や時間や自己について語り、坂本龍一さんが良き聴き手… 続きを読む
澁澤龍彦著「西欧芸術論集成」 2021年4月18日 アート 気に入った展覧会についてポツポツと言葉を連ねていてもなかなか文章がまとまっていかない。美術史の専門家でもなければ、絵心もない僕のような人間にとって、絵について何かを語るというのは結構荷が重い。特に、絵画の中に神秘を探ろうとするアプローチでは、なかなか自分の思うように語るこ… 続きを読む
渡辺京二著「私の世界文学案内ー物語の隠れた小径へー」 2021年3月16日 読書 例によって本屋をぶらついていたら、たまたま目についたので、渡辺京二著「私の世界文学案内ー物語の隠れた小径へー」を購入。僕は渡辺京二さんのお仕事は全く知らない。彼の名前は、ひとえに石牟礼道子さんの盟友としてずっと彼女に寄り添っていたということで知っているだけ。思想家として、… 続きを読む
鏡リュウジ著「タロットの秘密」 2021年3月6日 スピリチャル 鏡リュウジ「タロットの秘密」を読む。きっかけは、中村文則が朝日新聞に連載していた「カード師」の参考文献として引用されていたから。「カード師」は、中村文則の他の作品と同様、セックスと暴力と死と恐怖と闇社会を描いた小説だったけど、タロットカードが重要な役割を担って主人公の旅を… 続きを読む
小山聡子著「もののけの日本史」 2021年1月5日 読書 9784121026194 もののけの日本史 死霊、幽霊、妖怪の1000年 小山聡子 著 中公新書 2020/11/24 小山聡子著「もののけの日本史:死霊、幽霊、妖怪の1000年」を読む。日本文学に登場する「もののけ」の分析を通して、「もののけ」概念がいかに変化してきた… 続きを読む
川上弘美著「森へ行きましょう」 2020年12月22日 読書 川上弘美さんの「森へ行きましょう」が文庫になったので早速購入。葉山〜横浜の美術館巡りの往復の車中で一気に読了。川上弘美という現代日本の最良のストーリー・テラーによる「女の一生」。現代日本に生きる普通の女性が直面する様々な人生の選択肢を見事に描き出す。でも、もちろん、そこは… 続きを読む
いとうせいこう著「小説禁止令に賛同する」 2020年11月30日 読書 いとうせいこうの「小説禁止令に賛同する」が集英社文庫になったので早速購入する。うーん、すごい。いとうせいこうさんは、「ノーライフキング」以来の付き合いで、「想像ラジオ」「存在しない小説」「鼻に挟み撃ち」「我々の恋愛」と圧倒的に面白い作品を発表していて、僕は熱烈なファンだけ… 続きを読む
ジャスティン&エリカ・ソネンバーグ著「腸科学:健康・長生き・ダイエットのための食事法」 2020年11月7日 読書 以前から気になっていた「腸科学:健康・長生き・ダイエットのための食事法」を読了。別にダイエットがしたかったわけではなく、この本の基本的なコンセプトがとても気に入ったからだ。 この本は、マイクロ・バイオータという概念をベースにして人間という存在を再検討しようという試みである… 続きを読む
小川洋子著「ブラフマンの埋葬」 2020年11月3日 読書 小川洋子「ブラフマンの埋葬」を読む。小川洋子さんの作品は初めて。彼女の作品は何度か手に取ったことがあるけれど、これまで読んだことがなかった。どの作品か忘れてしまったけれど、冒頭に、老婆が「呪いじゃ」とかなんとかいうセリフを吐くのを読んでそれが第一印象になってしまった。いく… 続きを読む