鈴木卓爾監督「嵐電」

鈴木卓爾監督「嵐電」

2020年8月3日
鈴木卓爾監督の映画には、何かとても大切なものが詰まっている。それはとてもささやかで、注意して意識していないとするっと手から抜け落ちてしまうようなかすかなものだ。子どもの頃に大切にしていた宝物を押し入れの隅で発見した時に、ぼんやりとした明かりが心の中に点るように、鈴木監督の…
大林宣彦監督「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」

大林宣彦監督「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」

2020年8月1日
大林宣彦監督「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」を観る。4月に公開される予定だったけど、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言で上映が延期になっていた。期せずして、4月の公開予定日に大林監督が亡くなり、遺作となったという曰く付きの作品。大林監督は、前作「花筐/HANAG…
ギレルモ・デル・トロ監督「ブレイド2」

ギレルモ・デル・トロ監督「ブレイド2」

2020年7月31日
少し軽いものが観たいなと思っていたら、iTuneでギレルモ・デル・トロ監督「ブレイド2」が100円レンタルになっていた。我ながらせこいと苦笑しつつ、でも超ラッキーなので早速レンタル。やっぱり、ギレルモ・デル・トロは冴えている。うまいと思う。彼はメキシコ人で、僕は日本人だけ…
ディック・パウエル監督「眼下の敵」

ディック・パウエル監督「眼下の敵」

2020年7月31日
BSで放映された「眼下の敵」を観る。1957年、ディック・パウエル監督作品。アメリカの駆逐艦の艦長をロバート・ミッチャムが、駆逐艦に追われるUボートの艦長をクルト・ユルゲンスが演じている。潜水艦映画の古典的名作であり、監督と両主演男優の代表作の一つである。 実際、海上の駆…
「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」展@東京都現代美術館

「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」展@東京都現代美術館

2020年7月28日
オラファー・エリアソンの作品と初めて出会ったのは、ニューヨークのハドソン・リバーの「瀧プロジェクト」。豪快な作品に驚いたけど、その時は、ああまた大規模な野外アートプロジェクトを仕掛ける人が出てきたのか、と言う程度で流してしまった。しかし、その後、MOMAと別館のPS1で開…
トルーマン・カポーティ著「ティファニーで朝食を」

トルーマン・カポーティ著「ティファニーで朝食を」

2020年7月27日
以前のブログで、ブレイク・エドワーズ監督の「ティファニーで朝食を」を紹介したとき、原作者のトルーマン・カポーティが映画作品に不満だったというエピソードに触れた。ウィキペディアの記述をそのまま鵜呑みにして書いたんだけど、その後、原作とどこまで違うんだろうというのが気になって…
村上春樹「一人称単数」

村上春樹「一人称単数」

2020年7月26日
村上春樹の新作短編小説集「一人称単数」を読む。 以前のブログでも書いたけど、僕と村上春樹との付き合いは長い。もちろん、個人的な面識はないけれど、僕は「風の歌を聴け」をほぼ同時代で読んで以来、一部のエッセイとジャズ評論を除けばほとんどすべての作品を読み続けている。我ながら、…
「ピーター・ドイグ」展@国立近代美術館

「ピーター・ドイグ」展@国立近代美術館

2020年7月25日
国立近代美術館で「ピーター・ドイグ」展を観る。新型コロナウィルス感染拡大で休館となり、もしかしたらこのまま終わってしまうのではないかとやきもきしていたのだが、無事、展覧会は再開し、何とか見に行くことができた。 ピーター・ドイグを意識するようになったのは、たぶん10年以上前…
「古典×現代2020」展@国立新美術館

「古典×現代2020」展@国立新美術館

2020年7月24日
国立新美術館で「古典×現代2020 時空を越える日本のアート」を見る。もともとは、東京オリンピック2020の関連企画「日本博」の一環として実施され、東京オリンピックで来日した外国人に日本文化の魅力を発信するはずだった展覧会。新型コロナウィルスの感染拡大で東京オリンピックは…
キム・ボラ監督「はちどり」

キム・ボラ監督「はちどり」

2020年7月23日
ユーロ・スペースでキム・ボラ監督「はちどり」を観る。世界各国の映画祭で絶賛されたという評判の作品。舞台は、1994年のソウル。88年にソウル・オリンピックを開催し、南北同時国連加盟を成し遂げて一気に国際化と民主化を達成した韓国。93年には韓国初の文民政権として金泳三大統領…